最近流行りの自社株買いですが
自社株買いで株はあがるか
2月にはソフトバンクグループが
1億1,200万株、6,000億円を上限とした
自社株買いを発表し、株がストップ高になりました。
様々な錬金術を見せるソフトバンクですが
株式市場からお金を吸い上げるためには
自社株買いで株価が上昇すれば
資金を調達しやすくなりますね。
では
自社株買いで株はあがるのか。
今週9日午後2時に三菱商事が19年3月期連結決算、
20年3月期業績予想の発表とともに、
自己株式の取得・消却を発表しました。
これにより株価は上昇
一時161円高の3090円を付けました。
前場は、2868円まで下げていて
8日の年初来安値2915円を更新していました。
自社株買いは、取得株数上限1億2000万株(自己株式を除く発行済み株式総数の7.5%)、
取得金額上限3000億円で
取得期間は19年5月10日−20年5月8日
今回取得する自己株式のうち、ストックオプション充当を見込む500万株を除いた
全株を消却し予定日は20年5月29日。
この
発表で株価上昇となりました
が、翌々日
週末10日には
2844円の150円安
発表前の水準に戻りました。
同じくトヨタ自動車も
8日午後1時10分
発行済み株式総数の1.73%にあたる5000万株・3000億円を上限とする自社株買いを発表。
取得期間は5月15日から9月30日まで。
が、
週末10日には
株価は6537円と下げています。
自己株式を取得することによりマーケットに流通している株式を減らせば、
浮動株が減ります。一株当たりの価値が高まります。
そして需給が自社株買いの分だけタイトになりますから
売りの需要を減らすことができ、その結果、株価が上昇しやすいと言えます。
短期間にまとめて自社株買いを行えば別ですが(ソフトバンクは過去かなり短期で自社株買いをやっていました)
例えば今回のトヨタの例で言えば
取得期間は5月15日から9月30日まで
5000万株・3000億円ということは一株6000円を
自社株買いの大まかな目安にしてるということです。
買いあがって
高値でいくらでも買うということではありません。
自社株買いを行うということは
自社の株が安値に放置されていて
企業としては買いやすいタイミングであるということ
そして
株価が割安になってるから
もっと株価を上げたいと思っている
という市場へのメッセージでもあります。
投資家がそれを評価して買い上げていくことで
株価が上昇することがあります。
冷静に見ると
企業の自社株買いそのものは、
株価を上昇させるというよりは株価の下支えの効果と言えます。
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